大好きなものを食べられる日が…

季節外れな話かもしれないが。

サカグチは見かけによらず(?…)アレルギー体質である。
春の花粉の季節だけでなく、年がら年中、鼻づまり、目のかゆみに悩まされており、私にとってアレルギー症状が出ることは全く季節外れではない。

一度病院でアレルギー検査をしたことがあるが、各種花粉、ハウスダスト、猫などにアレルギーを持っていることが分かった。唯一、犬アレルギーは反応がなかった。ホントにたまたまであるが、自宅で犬を飼っているにも関わらず、犬アレルギーは持っていない。これも何かの縁、いや私の運の良さ?
もし私に犬アレルギーがあった場合どうなっているか考えただけでゾッとする・・・。

ところで、果物を食べると口の中のかゆみ、唇の腫れなどの症状が出る「果物アレルギー」の方がいる。
イチゴにはFra a1というアレルゲンがあり、食べると症状を引きおこすことがある。(Ishibashi et al., 2019)。
果物以外でも、ジャガイモでは、天然毒素のステロイドグリコアルカロイドであるソラニン、チャコニンを持ち(Sawai et al., 2014)、これらによる食中毒のニュースがたびたび報道される。

最近の品種開発の技術で、ゲノム編集(2020年にCRISPR-Cas9という技術でノーベル賞が与えられている)という言葉を聞いたことがある方もおられると思う。これは、人為的に遺伝子を切り貼りすることで狙ったところの遺伝子に突然変異を起こし、その結果目的とする形質を発現することができるという技術である。

ゲノム編集技術により、ソラニン、チャコニンを作らないジャガイモの育成に大阪大学グループが取り組んでいる(Yasumoto et al. 2019. まだ研究段階)。
もしかしたらこの技術を応用し利用することで、アレルギー物質を作らないイチゴが育成され、これまでイチゴを食べたいが食べることができなかった人にもおいしく食べてもらえるようになるかもしれない。

参考文献

Ishibashi et al. 2019.  Seasonal Variation of the Major Allergen Fra a 1 in Strawberry Fruit.  The Horticulture Journal 88 (3): 354–363.

Sawai et al. 2014. Sterol side chain reductase 2 is a key enzyme in the biosynthesis of cholesterol, the common precursor of toxic steroidal glycoalkaloids in potato. Plant Cell 26, 3763-3774.

Yasumoto et al. 2019.  Efficient genome engineering using Platinum TALEN in potato.  Plant Biotechnology 36, 167–173.